本記事にはアフィリエイト広告が含まれています。
ELECLISH NOTE / 学科試験対策
「何を調べる機器か」で、
測定器を整理しよう。
絶縁抵抗計、接地抵抗計、検相器。第二種電気工事士の学科では、似た名前の測定器が登場します。
外観だけを覚えるよりも、調べる対象と、表示する量や単位を結び付けると違いを整理しやすくなります。
この記事では、3つの機器を中心に、検電器・テスター・クランプメーターとの使い分けも解説します。
この記事は学科試験向けの基礎解説です。
実際の接続手順や、安全に測定するための作業手順を網羅するものではありません。測定器には使用できる電圧・回路・測定条件があり、実作業では機器の取扱説明書と定められた手順に従う必要があります。
測定器の違いを比較表で確認する
最初に、機器の名前と主な用途を対応させましょう。
| 機器 | 主に調べるもの | 単位・表示の例 |
|---|---|---|
| 絶縁抵抗計 | 電線や機器の絶縁抵抗 | MΩ |
| 接地抵抗計 | 接地極と大地との間の接地抵抗 | Ω |
| 検相器 | 三相交流の相順 | 正相・逆相など |
| 検電器 | 充電の有無 | 光・音などで知らせる |
| テスター | 電圧・抵抗など | V・Ωなど |
| クランプメーター | 電流 | Aなど |
表は代表的な用途です。電圧測定機能付きの検相器など、複数の機能を持つ製品もあります。
絶縁抵抗計|電気が漏れにくい状態か調べる
絶縁の状態を、抵抗値で確認する
絶縁抵抗計は、電路と大地の間や、電路相互の絶縁抵抗を測る機器です。「メガー」「メガ」と呼ばれることもあります。
絶縁とは、電気を流したくない部分へ電流が流れにくいようにすることです。被覆や絶縁物の状態を、抵抗値によって確認します。
同じ測定条件で比べると、絶縁抵抗が大きいほど電流は漏れにくいと考えられます。ただし、測定値だけで設備全体の安全性を判断できるわけではありません。
直流の試験電圧を加えて測定する
絶縁抵抗測定では、対象へ直流の試験電圧を加え、流れる電流から抵抗値を求めます。
機器に表示される「125V」「250V」「500V」などは、絶縁抵抗測定の試験電圧を示す場合があります。抵抗の測定結果であるMΩと、試験電圧のVを混同しないようにしましょう。
試験電圧は、測定対象に合わせて選ぶ必要があります。高い電圧で測れば何でもよい、というものではありません。
テスターの抵抗測定とは区別する
一般的なテスターにも抵抗測定機能がありますが、絶縁抵抗計とは試験電圧や測定範囲、目的が異なります。
学科では「絶縁状態を調べる」「絶縁抵抗を測定する」という説明を、絶縁抵抗計へ結び付けて覚えましょう。
絶縁抵抗計=絶縁の状態を調べる。代表的な表示単位はMΩ。
接地抵抗計|接地極と大地の間の抵抗を調べる
アース線そのものの抵抗を測るだけではない
接地は、電気設備などを大地へ電気的に接続することです。接地極と大地との間の抵抗を、接地抵抗と呼びます。
接地抵抗計は、その接地抵抗を測る機器です。アーステスターと呼ばれることもあります。
アース線の両端にテスターを当てて導通を確認することと、接地抵抗の測定は別です。電線がつながっていても、それだけで接地極と大地の接続状態まで分かるわけではありません。
代表的な単位はΩ
接地抵抗の代表的な表示単位はΩです。絶縁抵抗のMΩと並べて整理しましょう。
一般に、接地抵抗は小さいほど大地へ電流が流れやすくなります。絶縁抵抗と接地抵抗は、同じ「抵抗」でも測る対象と目的が違います。
補助接地極を使う方式などがある
接地抵抗の測定には、補助接地極を使う3電極法などがあります。また、条件に応じた2電極法や、クランプ式の測定器もあります。
写真を確認するときは、測定端子の表示、リード線、補助接地極なども手掛かりにしましょう。ただし、すべての接地抵抗計が同じ外観や測定方式ではありません。
接地抵抗計=接地極と大地の間の抵抗を調べる。代表的な表示単位はΩ。
絶縁抵抗と接地抵抗は、目的から区別する
| 比較する点 | 絶縁抵抗 | 接地抵抗 |
|---|---|---|
| 調べる対象 | 電路と大地の間、電路相互などの絶縁 | 接地極と大地の接続 |
| 目的のイメージ | 流れてほしくない経路へ、電気を漏らしにくくする | 接地する経路を、大地へつながりやすくする |
| 値の一般的な見方 | 同じ測定条件なら、大きいほど漏れにくい | 小さいほど大地へ流れやすい |
| 代表的な単位 | MΩ | Ω |
覚えるときは、「絶縁は漏らしたくない」「接地は大地へつなぎたい」と目的を言葉にすると、抵抗値の見方を整理しやすくなります。
必要な抵抗値は設備や条件によって異なります。この表は合否基準の数値を示すものではありません。
検相器|三相交流の相順を調べる
相順は、三相の並び順
検相器は、三相交流の相順を確認する機器です。正相・逆相などを、表示や音で知らせます。
三相誘導電動機では、相順が変わると回転方向が変わります。そのため、相順の確認はモーターの回転方向を考えるうえで関係します。
ただし、検相器はモーターの回転速度を測る機器ではありません。回転数を測る回転計とは区別しましょう。
3本の入力と、相順表示に注目する
検相器には、3本のリード線やクリップを備える製品があります。外観問題では、その形状に加えて、相順を示すランプや矢印なども確認します。
金属部分へ接触させる方式だけでなく、対応する被覆電線の上から検出する方式もあります。写真の形だけで決めず、用途と合わせて覚えましょう。
検相器=三相交流の相順を調べる。回転速度や抵抗値を測る機器ではない。
検相器と検電器は、名前が似ていても役割が違う
検電器は、電路などの充電の有無を確認する機器です。ここでいう充電とは、バッテリーへ電気をためることではなく、電圧がかかっている状態を指します。
| 機器 | 確認したいこと | 学習で結び付ける言葉 |
|---|---|---|
| 検相器 | 三相の相順はどうなっているか | 正相・逆相 |
| 検電器 | 充電しているか | 充電の有無・光や音 |
「相の順番」を見るのが検相器、「充電の有無」を見るのが検電器と整理しましょう。
一般的な検電器は、正確な電圧値を数値で測定する電圧計とも異なります。対応する交流・直流や検出範囲も、製品によって違います。
実作業では、反応しないことだけで安全と判断しないでください。
検電器には使用条件や検出できない条件があります。正常動作の確認を含め、対象に適した機器と所定の安全確認手順が必要です。
テスター・クランプメーターも、用途を整理する
テスターは、電圧・抵抗などを測る
テスターは、電圧や抵抗などを測る機器です。電流測定や導通確認など、対応する機能は製品によって異なります。
「いろいろ測れる」ことと、「絶縁抵抗や接地抵抗も同じように測れる」ことは別です。必要な測定に対応した機器を選ぶと考えましょう。
クランプメーターは、電線を挟んで電流を測る
クランプメーターは、センサーで電線を挟み、回路を切断せずに電流を測れることが特徴です。
一般的な負荷電流の測定と、漏れ電流の測定では、使う機種や挟む電線の組合せが異なります。「ケーブルを丸ごと挟めば、必ず負荷電流が分かる」と覚えないようにしましょう。
仕組みやテスターとの違いは、クランプメーターとは?電流を測れる仕組みと選び方で解説しています。
学科の覚え方|用途・単位・外観をセットにする
まずは「何を調べたいか」から答える
機器名を隠して、次の対応を説明してみましょう。
- 絶縁の状態を抵抗値で調べたい → 絶縁抵抗計。
- 接地極と大地の間の抵抗を調べたい → 接地抵抗計。
- 三相交流の相順を調べたい → 検相器。
- 充電の有無を確認したい → 検電器。
用途から機器名を答えられたら、単位や表示まで付け加えます。
MΩとΩの違いも確認する
MΩのMはメガを表し、1MΩ=1,000,000Ωです。
同じ数字でも、1Ωと1MΩは大きく違います。写真や仕様の表示を見るときは、数値だけでなく単位まで確認しましょう。
外観は、本体の色だけで覚えない
メーカーや機種によって、本体の色や形は変わります。写真問題の復習では、次の点を見る習慣をつけましょう。
- 表示単位や、目盛に書かれた文字。
- 切替スイッチの機能表示。
- 端子やリード線の構成。
- クランプ部、相順表示などの特徴。
1枚の写真を丸暗記するより、別の機種の写真でも用途を説明できる状態を目指すと、理解を確かめられます。
測定器の写真と学科問題を、一緒に復習したい方へ
この記事で用途を整理したら、手元の参考書や過去問で、実物写真・機器名・用途を照らし合わせてみましょう。
紙の本を使う場合は、間違えた機器のページへ戻り、「何を測るか」「単位は何か」を余白へ書いておくと、復習箇所を見つけやすくなります。
広告/学科用参考書・紙の本
ぜんぶ絵で見て覚える 第2種電気工事士 学科試験すい〜っと合格 2026年版
藤瀧和弘 著。学科の学習用に、紙の参考書を用意したい方の候補です。購入前に目次や試し読みを確認し、説明の読みやすさや学習範囲が自分に合うか見てみましょう。
紹介しているのは2026年版です。受験年度に対応する版を確認してください。価格・在庫・送料などは販売ページをご確認ください。
まとめ
- 絶縁抵抗計:絶縁抵抗を測る。代表的な単位はMΩ。
- 接地抵抗計:接地極と大地の間の抵抗を測る。代表的な単位はΩ。
- 検相器:三相交流の相順を確認する。
- 検電器:充電の有無を確認する。
- 機器名だけでなく、用途・単位・表示や端子の特徴を結び付ける。
似た名前で迷ったときは、「何を調べたいのか」に戻りましょう。用途から機器を選べるようになると、名称や写真を使った学科問題も整理しやすくなります。
参考資料
各機器の基本機能を中心に説明しています。対応する測定項目・範囲・使用条件は、製品ごとの仕様と取扱説明書を確認してください。


コメント