第二種電気工事士のリングスリーブ|小・中の選び方と圧着マーク○・小・中を解説【資格・工具】

資格・工具

ELECLISH NOTE / SKILL PRACTICE

スリーブは「小」。
でも、圧着マークは「○」?

第二種電気工事士の技能対策では、リングスリーブのサイズと、圧着工具で使う位置の組合せに迷うことがあります。

最初のポイントは、「使うスリーブ」と「圧着後に残すマーク」を分けて確認することです。

この記事では、直径1.6mm・2.0mmの銅単線を中心に、小・中のスリーブと、圧着マーク○・小・中の選び方を整理します。

この記事の早見表は、銅単線の代表的な組合せです。

「1.6mm」「2.0mm」は導体の直径を表し、断面積のmm²とは異なります。より線や表にない組合せへ、そのまま当てはめないでください。

使用するスリーブ・工具の適用表と、受験年度の試験資料・施工条件も確認しましょう。練習は電源につながない材料で行ってください。

リングスリーブとは?電線の心線を圧着して接続する材料

リングスリーブは、複数の電線の心線をまとめ、専用工具で圧着して接続するための材料です。この記事では、電気工事士試験で扱う終端重合せ用のE形を説明します。

電線の被覆をむいて心線をスリーブへ入れ、適切な工具で圧着します。単に電線が穴へ入ればよいわけではなく、電線の太さと本数に適合する組合せを選ぶ必要があります。

リングスリーブには小・中・大がありますが、この記事では小・中を使う基本的な組合せに絞ります。

スリーブのサイズと圧着マークは、別に確認する

選ぶものは、次の2つです。

  • リングスリーブの呼び:小・中など、接続に使う材料のサイズ。
  • 圧着マーク:○・小・中など、選んだ工具のダイスによって圧着後に残る刻印。

ダイスとは、スリーブを挟んで成形する工具の部分です。工具の表示を確認し、組合せに合うダイスを使います。

特に間違えやすいのが、直径1.6mmの単線2本は「小スリーブ・○マーク」になることです。「小スリーブを使うから、必ず小マーク」とは限りません。

1.6mm × 2本1.6mm × 3本○小小スリーブ/○マーク小スリーブ/小マーク
同じ小スリーブでも、組合せによってマークが変わります。図は選定を説明する模式図です。実際の圧着形状・心線の露出寸法・電線色を示す施工見本ではありません。

リングスリーブと圧着マークの早見表

接続する心線の直径と本数を数え、スリーブとマークをセットで確認しましょう。

接続する銅単線の組合せ スリーブ 圧着マーク
1.6mm × 2本 小 ○
1.6mm × 3~4本 小 小
2.0mm × 2本 小 小
2.0mm × 1本 + 1.6mm × 1~2本 小 小
1.6mm × 5~6本 中 中
2.0mm × 3~4本 中 中
2.0mm × 1本 + 1.6mm × 3~5本 中 中
2.0mm × 2本 + 1.6mm × 1~3本 中 中
2.0mm × 3本 + 1.6mm × 1本 中 中

HOZANのリングスリーブ用圧着工具の取扱説明書などに示された組合せを基に、銅単線1.6mm・2.0mmの例を抜粋しています。すべての適用範囲を網羅する表ではありません。

最初は、小スリーブの組合せを確実に覚える

まずは、表の上側にある小スリーブの組合せから練習しましょう。中でも「1.6mm2本は○」「1.6mm3~4本は小」の違いを、実物の刻印と照らし合わせると整理しやすくなります。

ただし、小に当てはまらなければ、何でも中になるわけではありません。本数が増えると大の範囲になる場合もあります。表の範囲外は、適用表を確認してください。

本数だけで選ばない|同じ3本でも結果が変わる

次の2つは、どちらも合計3本ですが、使うスリーブが異なります。

組合せ 選定結果
2.0mm × 1本 + 1.6mm × 2本 小スリーブ・小マーク
2.0mm × 2本 + 1.6mm × 1本 中スリーブ・中マーク

2つ目は、太い2.0mmの電線が1本多い組合せです。合計本数だけを見ると、この違いを見落としてしまいます。

接続箇所には「3本」とだけ書かず、「2.0mmが何本、1.6mmが何本」まで整理する習慣をつけましょう。

複線図から、スリーブの数とマークを決める例

前の記事で扱った「片切スイッチ・照明・コンセント」の回路で考えてみます。

今回は、すべて直径1.6mmの銅単線を使い、3組の接続をすべてリングスリーブで行う条件とします。

接続する組 太さ・本数 スリーブ/マーク
電源の白+照明の白+コンセントの白 1.6mm × 3本 小/小
電源の黒+スイッチの黒+コンセントの黒 1.6mm × 3本 小/小
スイッチの白+照明の黒 1.6mm × 2本 小/○

この条件では、小スリーブが3個、圧着マークは「小」が2か所と「○」が1か所になります。

電源側の電線が2.0mmになるなど、条件が変われば改めて選び直します。同じ回路でも、電線の太さまで同じとは限りません。

圧着の前後に確認したいこと

圧着前|接続する電線とダイスを確かめる

  1. 施工条件で指定された接続方法を確認する。
  2. 同じ組に接続する電線を、複線図と照合する。
  3. 心線の直径と本数から、スリーブとマークを選ぶ。
  4. 対応するリングスリーブ用圧着工具とダイスを確認する。
  5. 接続する心線をすべて入れ、被覆を圧着部へ巻き込んでいないか確認する。

スリーブが入りにくいときは、サイズを変える前に組合せと電線の整え方を確認しましょう。「入りにくいから大きいものへ変更する」という選び方はできません。

圧着後|刻印だけでなく、心線とスリーブも見る

工具の取扱説明書に従って圧着を完了させ、正しい刻印が明瞭に入ったか確認します。あわせて、スリーブの破損、被覆の噛込み、心線の挿入状態を見直しましょう。

刻印が合っていても、接続先や心線の処理が間違っていれば適切な作品にはなりません。選定と仕上がりの両方を確認することが大切です。

技能試験で注意したいリングスリーブの欠陥

電気技術者試験センターの2026年3月版資料では、スリーブや圧着マークの誤りに加え、次のような状態も欠陥として示されています。

  • スリーブが破損している。
  • 刻印がスリーブの端にかかり、一部が欠けている。
  • 1個のスリーブに2つ以上の圧着マークがある。
  • 1か所の接続に2個以上のスリーブを使っている。
  • 絶縁被覆の上から圧着している。

押し間違えた刻印を、別の刻印で上から押し直して済ませないようにしましょう。間違いに気づいたら、適切な接続に作り直す必要があります。

心線の先端と露出にも注意する

同資料では、次の状態も欠陥とされています。

  • 上から見たとき、接続する心線の先端が1本でも見えない。
  • スリーブ上端から、心線が5mm以上出ている。
  • スリーブ下端から、心線が10mm以上露出している。

これらは試験の欠陥判断の境界であり、仕上げの目標寸法ではありません。境界ぎりぎりを狙わず、工具・材料の取扱説明書と試験資料の適切な施工例を確認して練習してください。

ここで紹介したのは欠陥基準の一部です。受験する年度の公式資料で、電線の損傷やその他の端末処理も含めて確認しましょう。

技能試験と実際の工事を区別しましょう。

試験では接続部の絶縁処理を省略しますが、実際の工事では適切な絶縁処理が必要です。練習作品を、そのまま使用できる配線だと考えないでください。

練習方法|選定と圧着を分けて覚える

最初から速く圧着しようとせず、まずは表を使って正しく選べるようにしましょう。

  1. 電線の組合せを見て、スリーブとマークを紙に書く。
  2. 早見表と照合し、間違えた組合せを確認する。
  3. 短い練習用電線で、選んだ組合せを実際に圧着する。
  4. 刻印・心線の先端・被覆・スリーブの状態を見直す。
  5. 候補問題の複線図で、接続ごとに選定する。

特に、1.6mm2本と3本の違い、1.6mmと2.0mmが混ざる組合せを比べてみてください。「材料は小、マークは○」のように、2つをセットで答える練習が役立ちます。

まとめ

  • スリーブのサイズと、圧着マークを分けて確認する。
  • 直径1.6mmの銅単線2本は、小スリーブ・○マーク。
  • 本数だけでなく、心線の直径も数えて選定する。
  • 表にない組合せは、メーカーの適用表で確認する。
  • 圧着後は刻印・心線・被覆・スリーブの状態を見直す。

複線図で接続する電線を整理し、その組合せからスリーブとマークを決める。この順序を習慣にすると、選定から施工までをつなげて考えやすくなります。

参考資料

本記事の組合せ表は代表例の抜粋です。使用する材料・工具の適用条件と、受験年度の最新資料を確認してください。

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