NPNとPNPの違いとは?センサー出力とPLC入力の関係を初心者向けに解説【制御・PLC】

制御・PLC
SENSOR OUTPUT / NPN & PNP

「同じセンサーに、NPNとPNPがあるのはなぜ?」
「PLCには、どちらをつなげばいい?」

NPNとPNPは、センサーの出力回路の方式を表します。違いを理解するには、出力がONになったときの電流経路を見ることが大切です。

この記事では、一般的な直流3線式のオープンコレクタ出力を例に、NPN・PNPの仕組み、PLC入力との関係、NO・NCとの違いを解説します。

NPNとPNPの違いは、出力ON時の電流経路

基本的な違いは、次のように整理できます。

  • NPN出力:出力端子からセンサー側へ電流を吸い込み、0V側へ流す。
  • PNP出力:電源のプラス側から、出力端子を通して負荷へ電流を送り出す。

ここでいう負荷は、表示灯やリレーだけでなく、PLCの入力回路も含みます。

この記事の説明範囲
直流24Vを使う一般的な3線式センサーを例にしています。2線式、プッシュプル出力、安全機器の出力などは、そのまま同じ説明を当てはめず、個別の仕様を確認します。

NPN出力とは?0V側へ電流を流す

NPNオープンコレクタ出力では、負荷を電源のプラス側とセンサー出力端子の間に接続します。

出力トランジスタがONになると、負荷から出力端子へ入り、センサー内部を通って0Vへ戻る電流経路ができます。

NPN出力がONのとき
+24V → 負荷 → OUT端子 → センサー内部の出力トランジスタ → 0V

図:慣用的な電流の向きを示した概念図です。電子の移動方向とは逆です。センサー内部回路への給電経路などは省略しています。

電流を吸い込む働きから、センサーのNPN出力はシンク出力とも呼ばれます。

ON時のOUT端子は0Vに近い電位になりますが、実際にはトランジスタの電圧降下があります。完全に0Vになるとは限りません。

PNP出力とは?プラス側から電流を送り出す

PNPオープンコレクタ出力では、負荷をセンサー出力端子と0Vの間に接続します。

出力トランジスタがONになると、電源のプラス側からセンサー内部を通り、OUT端子から負荷へ電流が流れます。

PNP出力がONのとき
+24V → センサー内部の出力トランジスタ → OUT端子 → 負荷 → 0V

図:出力ON時の基本的な電流経路です。実機の端子番号や接続方法を示す配線図ではありません。

電流を送り出す働きから、センサーのPNP出力はソース出力とも呼ばれます。

ON時のOUT端子は電源のプラス側に近い電位になります。ただし、こちらも内部の電圧降下があるため、必ず電源電圧と同じになるわけではありません。

NPNとPNPを表で比較

項目 NPN出力 PNP出力
ON時の働き 出力端子から電流を吸い込む 出力端子から電流を送り出す
負荷の接続位置 電源+とOUTの間 OUTと0Vの間
センサー出力の呼び方 シンク出力 ソース出力
ON時のOUT電位の目安 0Vに近い 電源+に近い
接続先 NPN出力に適合する入力回路 PNP出力に適合する入力回路

どちらが高性能かという比較ではなく、接続する入力回路や設備の設計に合わせるものです。

PLC入力とは、どう組み合わせる?

PLCの入力は、適切な電流が入力回路を流れることで、信号をONとして認識します。そのため、センサーとPLCの間で電流経路が成立する組み合わせが必要です。

PLCの入力回路を負荷として考える
NPNセンサーの例

+24V → PLC入力回路 → センサーOUT → センサー内部 → 0V

PNPセンサーの例

+24V → センサー内部 → センサーOUT → PLC入力回路 → 0V

図:信号電流の経路を示す概念図です。PLCのCOM端子や電源配線の実際の配置は機種によって異なります。

COM端子の接続先は、説明書で確認する

一般的な共通端子方式では、NPNセンサーに対応する構成は入力回路の共通側をプラスへ、PNPセンサーに対応する構成は共通側を0Vへ接続する形になります。

ただし、切り替え可能な入力、固定方式の入力、個別に絶縁された入力などがあります。COMという名前だけで、接続先を決めないでください。

シンク・ソースは、何の入出力を指しているかまで確認します。
「センサーの出力」と「PLCの入力」では、呼称を読む視点に注意が必要です。名称だけで組み合わせず、メーカーの接続例と電流経路を確認しましょう。

1つのCOMを共用する入力グループでは、NPNとPNPを自由に混在できるとは限りません。共通端子の範囲も仕様書で確認します。

NPN・PNPと、NO・NCは別の話

NPN・PNPは出力回路の方式、NO・NCは通常状態に対する出力の動作を表します。

一般的な近接センサーで、非検出を通常状態とする場合は、次のように考えます。

動作 非検出時 検出時
NO 出力OFF 出力ON
NC 出力ON 出力OFF

したがって、製品にはNPN・NO、NPN・NC、PNP・NO、PNP・NCなどの組み合わせがあります。「NPNだからNC」「PNPだからNO」という関係ではありません。

光電センサーでは入光時ON・遮光時ONなどの表記も使われます。どの物理状態で出力するかは、製品の動作表で確認してください。

トランジスタ出力に、機械的な接点があるとは限りません。
センサーのNO・NCは出力動作を表すものです。また、PLCラダー図のa接点命令・b接点命令とも区別します。ラダー命令は、取り込んだ入力がONかOFFかを条件として評価します。

接続前に確認する仕様

  • 電源電圧:センサーと入力回路が、使用する電源に適合するか。
  • 出力形式:NPN・PNP・プッシュプルなど、何の方式か。
  • 出力動作:NO・NC、入光時ON・遮光時ONなどの条件。
  • 出力電流:接続負荷の電流が、センサーの許容範囲内か。
  • 残留電圧:ON時の電圧降下を含めても、PLCのON条件を満たすか。
  • 漏れ電流:OFF時の電流が、PLCのOFF条件を妨げないか。
  • 応答時間:短い検出信号をセンサーとPLCの双方が扱えるか。

出力OFFでも、完全な開放とは限らない

半導体出力には、OFF時にも小さな漏れ電流が流れる場合があります。接続先の条件によっては、信号が正常にOFFとして認識されない原因になります。

また、出力OFF時のOUT電位は、負荷や入力回路の影響を受けます。電圧を測った結果だけで、センサー出力の正常・異常を決めつけないことが大切です。

線の色だけで接続を決めない

直流3線式では、茶が電源+、青が0V、黒が出力という製品が多くあります。ただし、例外や追加出力を持つ製品もあるため、型式ごとの配線図やコネクタのピン配置を優先します。

NPNとPNPを変えるために、電源の+と0Vを入れ替えないでください。
通常の固定出力タイプでは、電源極性の入れ替えで出力方式は変わりません。故障の原因になるため、対応する型式・設定・変換機器などを確認します。

センサーは反応しているのに、PLCへ入らないとき

確認は、センサーの検出状態 → 出力状態 → PLCの入力状態 → プログラムの条件の順に分けると整理しやすくなります。

  • センサーの表示灯は、検出と出力のどちらを示しているか。
  • NPN・PNPと、PLCの入力方式が合っているか。
  • 電源・出力・共通端子の配線が、指定どおりか。
  • NO・NCなどの動作設定が、意図した条件になっているか。
  • PLCで見ている入力番号と、実際の接続先が一致しているか。

配線変更は電源を遮断して行います。通電状態での測定や動作確認は、担当者が測定器の適合と設備の安全手順を確認して実施してください。

まとめ

  • NPN:出力端子から電流を吸い込み、0V側へ流す。
  • PNP:プラス側から出力端子を通して電流を送り出す。
  • PLC入力とは、電流経路が成立する組み合わせを選ぶ。
  • NPN・PNPとNO・NCは、別の仕様。
  • 型式ごとの配線図、入力条件、残留電圧、漏れ電流まで確認する。

NPN・PNPを覚えるときは、名前だけでなく、「出力がONになったら、どこからどこへ電流が流れるか」を追ってみましょう。センサーとPLC入力の関係が理解しやすくなります。

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