インターロック回路とは?仕組み・自己保持との違いを初心者向けにわかりやすく解説【電気制御】

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インターロック回路の仕組み、正転・逆転回路の例、自己保持との違いを紹介する画像

ELECTRICAL CONTROL / 電気制御の基礎

電気制御を勉強していると、「インターロックを入れる」「インターロックがかかって動かない」といった言葉が出てきます。回路図で見かけても、何をしているのかイメージしにくいかもしれません。

インターロックは、ある動作や条件に応じて、別の動作を禁止する仕組みです。たとえば、モーターを正転させている間は逆転側を動かさない、といった制御に使われます。

この記事では、インターロック回路の役割、b接点を使う仕組み、正転・逆転回路の動作、自己保持回路との違いを、初心者向けに順番に解説します。

この記事のポイント

自己保持が「動作を続けるための仕組み」なのに対して、インターロックは「動作を許可・禁止するための仕組み」です。この違いを押さえると、シーケンス回路が読みやすくなります。

インターロック回路とは?

インターロック回路とは、同時に行ってはいけない動作を防いだり、必要な条件がそろうまで動作を禁止したりする回路です。「インタロック」と表記されることもあります。

操作する人が注意するだけでなく、回路や機構によって動作を制限するのが特徴です。操作ボタンを押しても、許可条件がそろっていなければ機械は動きません。

相反する動作を禁止する

正転側の電磁接触器がONの間は、逆転側の電磁接触器をONにできないようにします。前進と後退など、同時に成立させたくない動作にも使われます。

条件がそろうまで動作を禁止する

必要な位置に装置が到達してから次の工程を許可するなど、機械の状態に応じて動作を制限します。安全扉の状態を使う安全インターロックもあります。

つまり、インターロックは「2つの機器の同時ONを防ぐ回路」だけに限りません。何を条件に、どの動作を禁止するのかが、読み解くときのポイントです。

なぜインターロックが必要なのか

機械には、同時に動かすと問題が起きる組み合わせがあります。わかりやすい例が、2台の電磁接触器で三相モーターの正転・逆転を切り替える回路です。

この方式では、逆転側の配線で三相電源のうち2相を入れ替えます。そのため、正転側と逆転側の主接点が同時に閉じると、電源の相間短絡につながります。単に「回転方向の指令がぶつかる」という問題ではありません。

こうした同時投入を防ぐため、正転側が動いている間は逆転側を禁止し、逆転側が動いている間は正転側を禁止する仕組みを設けます。

ここで説明するのは、電磁接触器で相を入れ替える正逆転回路です。インバーターへの正転・逆転指令は別の制御方式なので、同じ説明をそのまま当てはめず、使用する機器の仕様を確認します。

b接点を使ったインターロックの仕組み

b接点は、機器が動作すると開く接点

電磁接触器の補助接点には、a接点とb接点があります。基本的な電磁接触器では、コイルが励磁されて接触器が動作すると、a接点は閉じ、b接点は開きます。

電磁接触器の補助接点の基本動作
接点 接触器が非動作のとき 接触器が動作したとき
a接点 開いている 閉じる
b接点 閉じている 開く

相手側のb接点を、コイル回路に直列に入れる

正転用の電磁接触器をK1、逆転用をK2とすると、電気的インターロックの基本は次の組み合わせです。

正転側K1のコイル回路
逆転側K2の補助b接点を直列に入れる。

逆転側K2のコイル回路
正転側K1の補助b接点を直列に入れる。

K1が動作すると、K1のb接点が開きます。この接点はK2のコイル回路に入っているため、K2を励磁する経路が遮断されます。K2が動作した場合も、同じ考え方でK1の励磁を禁止します。

覚え方は「相手が動いたら、自分の回路が切れる」

正転側を禁止するのは逆転側のb接点、逆転側を禁止するのは正転側のb接点です。どのコイルに属する接点なのかを確認しましょう。

正転・逆転回路の動作を順番に見てみよう

ここでは、停止ボタン、正転・逆転の始動ボタン、自己保持接点、相手側のb接点を備えた基本的な制御を考えます。保護回路などの運転条件は、すべて成立しているものとします。

正転運転を始めるとき

  1. 停止中:K1とK2はどちらも非動作で、それぞれの補助b接点は閉じています。
  2. 正転ボタンを押す:K2のb接点が閉じているため、正転側K1のコイルが励磁されます。
  3. K1が動作する:K1の主接点が閉じ、モーターが正転します。K1の補助a接点によって自己保持します。
  4. 逆転側を禁止する:同時にK1の補助b接点が開き、逆転側K2のコイル回路を遮断します。

この状態で逆転ボタンを押しても、K1のb接点が開いているため、K2は励磁されません。

停止してから逆転運転を始めるとき

停止ボタンを押すとK1のコイルが非励磁になり、自己保持が解除されます。K1が釈放されると、主接点と補助a接点が開き、補助b接点は閉じます。

その後、必要な停止確認などの条件が成立した状態で逆転ボタンを押すと、K2が動作します。今度はK2のb接点が開くため、正転側K1が禁止されます。

運転状態と相手側の制限
現在の状態 補助b接点の状態 禁止される動作
停止中 K1・K2ともに閉じている この相互インターロックによる禁止はない
正転側K1が動作中 K1のb接点が開く 逆転側K2の励磁
逆転側K2が動作中 K2のb接点が開く 正転側K1の励磁

接触器がOFFでも、モーターが止まったとは限りません。電源を切った後も慣性で回り続けることがあります。同時投入を防ぐ条件と、逆方向へ切り替えてよい条件は別に考え、設備に応じて停止確認や切替待ち時間などを設けます。

電気的インターロックと機械的インターロックの違い

電気的インターロック

補助b接点などを使って、相手側のコイルを励磁できないようにする方式です。先ほど説明した「K1のb接点をK2側へ、K2のb接点をK1側へ入れる」という組み合わせが該当します。

機械的インターロック

機械的な連動機構によって、2台の電磁接触器が同時に投入されることを防ぐ方式です。片側が投入されているときに、もう片側の投入を機構で阻止します。

種類 制限する方法 着目する部分
電気的インターロック 相手側のコイル回路を遮断する 補助接点・制御配線
機械的インターロック 相手側の投入を機構で阻止する 接触器の連動機構

相互のb接点だけでは、停止中に両方の始動操作が同時に入った場合など、投入のタイミングによる問題まで解決できるとは限りません。正逆転用の接触器は、メーカーが指定する機械的インターロックや操作回路も含めて構成します。

インターロックと自己保持の違い

インターロックと自己保持は、同じシーケンス回路に登場しますが、役割が異なります。

自己保持は、始動ボタンから手を離しても動作を続けるための仕組みです。基本的な回路では、自分自身の補助a接点を始動ボタンと並列に入れます。

一方、インターロックは、条件に応じて動作を禁止するための仕組みです。正逆転回路では、相手側の補助b接点をコイル回路に直列に入れます。

基本的な接触器回路での比較
比較項目 自己保持 相互インターロック
目的 動作を継続する 相手側の動作を禁止する
使う補助接点 自分自身のa接点 相手側のb接点
接点の入れ方 始動ボタンと並列 コイルの励磁経路に直列
正転中の役割 正転運転を続ける 逆転側の投入を禁止する

正転運転を続けながら逆転側を禁止するには、自己保持とインターロックの両方が必要になります。「保持する接点」と「禁止する接点」を分けて読むと、回路の意図が見えてきます。

PLCでもインターロックは使われる

PLCのラダープログラムでも、運転条件や相手側の状態を使って動作を禁止できます。考え方は、接点を使うリレー回路と共通しています。

正転の許可条件の例
逆転側が動作していないこと + その他の運転条件が成立していること

逆転の許可条件の例
正転側が動作していないこと + その他の運転条件が成立していること

ただし、これは条件の考え方を示したものです。実際のプログラムでは、両方の指令が同時に入ったときの処理、停止後の切替条件、出力指令と実機の状態が一致しない場合の処理も考えます。

PLCの出力指令がOFFになっていても、接触器の主接点が確実に開いているとは限りません。同時ONすると危険な正逆転用接触器などは、プログラムだけに依存せず、機種のマニュアルに従ってPLC外部にもインターロックを設けます。

「インターロックがかかっている」とはどういう意味?

現場で「インターロックがかかっている」と言うときは、動作を禁止する条件が成立している、または動作に必要な許可条件が成立していない状態を指すことが多いです。

たとえば、逆転側の接触器が動作中なら正転側は動けません。また、前工程が終わっていない、装置が所定の位置にいない、といった条件で次の動作が禁止される場合もあります。

動かない原因を考えるときは、ボタンや出力だけを見るのではなく、次の順番で条件を整理します。

  1. 動かしたい機器を特定する:どのコイルや出力が動作すべきかを確認する。
  2. 許可条件を読む:その動作に必要な接点や信号を回路図で確認する。
  3. 禁止条件を読む:相手側の運転状態や異常信号などを確認する。
  4. 実際の状態と照合する:表示や診断情報を使い、どの条件が成立していないかを確認する。

インターロックによって動かないこと自体は、故障とは限りません。回路が意図どおりに動作を禁止している場合もあります。

動かないからといって、インターロック接点を短絡して運転しないようにしましょう。禁止されている理由を確認することが先です。実機の点検は、設備の作業手順と電源遮断などの安全措置に従って行います。

安全扉のインターロックで押さえたいこと

安全扉のインターロックは、扉の開放を検知して危険な動作を停止させるなど、人を保護するために使われます。

ただし、扉が閉じている信号を一般的なPLCに入力するだけで、安全が確保されるとは限りません。危険な動作が停止するまでの時間や、機器・配線の故障も考慮した安全回路が必要です。

扉を開いてから危険な部分が止まる前に人が到達できる設備では、停止するまで扉を開けられないガードロックなども検討します。また、扉を閉じたことと運転を再開してよいことは、分けて考える必要があります。

正逆転の同時投入防止も、安全扉の制御も「インターロック」と呼ばれますが、目的と要求される構成は同じではありません。

まとめ

  • インターロックは、条件に応じて動作を禁止する仕組み。
  • 正転・逆転回路では、相手側の補助b接点を使ってコイルの励磁を禁止する。
  • 電気的インターロックは制御回路、機械的インターロックは連動機構で投入を制限する。
  • 自己保持は「動作の継続」、インターロックは「動作の制限」が役割。
  • 同時投入の防止と、モーター停止の確認は別の条件として考える。

回路図を見るときは、「どの機器が動くと、どの接点が開き、何が動けなくなるのか」を追ってみましょう。インターロックの役割がわかると、機械が動く条件だけでなく、動かない理由も読み取りやすくなります。

参考資料

本記事は回路の考え方を学ぶための解説です。実設備の設計・配線では、使用機器の仕様書と設備の安全要件を確認してください。

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