タイマーリレーとは?オンディレイ・オフディレイの違いと仕組みを初心者向けに解説【制御・PLC】

制御・PLC

CONTROL & PLC / 制御の基礎

「スイッチを入れてから、5秒後に動かしたい」「停止指令の後も、しばらくファンを回したい」。時間を条件にして機器を動かすときに使うのが、タイマーリレーです。

タイマーリレーは、電源や入力信号をきっかけに時間を計り、設定した動作に従って出力を切り替える機器です。

この記事では、オンディレイ・オフディレイの違い、電源と信号入力の関係、接点の見方、制御盤やPLCで使うときの注意点を解説します。

ON-DELAY

オンディレイ

入力がONになってから設定時間を待ち、出力をONにします。

ONになるタイミングを遅らせる

OFF-DELAY

オフディレイ

入力がOFFになってから設定時間を待ち、出力をOFFにします。

OFFになるタイミングを遅らせる

タイマーリレーとは?

一般的なリレーが入力に応じて接点を切り替えるのに対し、タイマーリレーは計時機能を使って、出力を切り替えるタイミングを制御します。

「タイマ」「タイマー」と表記され、出力方式にはリレー接点式や半導体式などがあります。すべてのタイマーが機械接点を備えているわけではありません。

また、タイマーリレーは主に「何秒後・何分後」という経過時間を扱います。毎日決まった時刻に照明を入れるような「何時何分」の制御は、タイムスイッチなどの役割です。

仕組みを理解するための3つの要素

要素 役割
電源 タイマー本体を動作させるための電気
入力 計時の開始・停止・リセットなどを指示する信号
出力 設定した時間と動作モードに従って切り替わる接点や信号

電源を入れたこと自体を計時開始のきっかけにする製品もあれば、電源を入れたまま、別の信号入力で計時を始める製品もあります。

「電源ON」と「入力信号ON」は別の場合がある

タイミングチャートを見るときは、どの線が電源、スタート信号、出力を表しているかを最初に確認しましょう。

オンディレイとは?|設定時間後にON

オンディレイは、入力がONになってから時間を計り、設定時間が経過すると出力がONになる動作です。「限時動作」と表現されることもあります。

EXAMPLE|5秒後に表示灯を点灯

  1. 入力ON:5秒の計時を開始する。出力はまだOFF。
  2. 5秒経過:出力がONになり、対応する回路で表示灯が点灯する。
  3. 入力ONを継続:出力ONを維持する。
  4. 入力OFF:出力がOFFになり、計時をリセットする。

これは基本的な非積算型オンディレイの例です。実際のリセット条件は、使用する製品と動作モードで確認します。

設定時間より前に入力がOFFになったら?

一般的な非積算型では、計時途中で入力がOFFになるとリセットされ、出力はONになりません。再び入力がONになると、最初から計り直します。

「2秒ONして、いったんOFF、その後3秒ONすれば合計5秒で動く」とは限りません。時間を足し合わせる積算動作は、別の機能です。

オンディレイの用途例

  • 運転開始後、一定時間待って次の工程を許可する。
  • センサーの検出が一定時間続いたときに出力する。
  • 機器を順番に始動させる制御の一部に使う。

ただし、安全な位置への到達や停止完了を、時間だけで保証することはできません。必要な状態確認は、センサーなどで別に行います。

オフディレイとは?|設定時間後にOFF

オフディレイは、入力ONで出力がONになり、入力がOFFになってから設定時間が経過すると出力がOFFになる動作です。

まずは、タイマー本体への電源を維持したまま使う「信号オフディレイ」で考えてみましょう。

EXAMPLE|停止指令の後も10秒間ファンを回す

  1. 運転信号ON:出力がONになり、ファンの運転回路を許可する。
  2. 運転信号OFF:10秒の計時を開始する。出力はまだON。
  3. 10秒経過:出力がOFFになり、ファンの運転回路を切る。

ファンを運転し続けるには、タイマーとは別に、ファン側の電源や必要な制御電源が維持されていることが前提です。

オフディレイの用途例

  • 装置の運転終了後、一定時間だけ換気を続ける。
  • 入力信号が切れた後も、表示を一定時間残す。
  • 通常停止後の補助機器の動作時間を確保する。

通常停止を遅らせる制御と、非常停止は別です。危険な動作を時間だけ遅れて止める構成を、安全確認なしに採用しないでください。安全に必要な停止方式は、設備のリスクに応じて設計します。

オンディレイとオフディレイを比較

比較項目 オンディレイ 信号オフディレイ
遅らせる動作 出力をONにする 出力をOFFにする
計時の開始 入力がONになったとき 入力がOFFになったとき
入力ON直後 出力OFFのまま計時 出力ON
入力OFF直後 基本例では出力OFF・リセット 出力ONのまま計時
覚え方 「入ってから待つ」 「切れてから待つ」

出力ON・OFFは、動作出力の状態を表します。c接点のNC側を使う場合などは、接点の導通状態を別に確認してください。

信号オフディレイと電源オフディレイの違い

「オフディレイ」という名前だけでは、何をOFFにするのかが曖昧です。信号入力を切る方式と、本体電源を切る方式を区別します。

SIGNAL OFF-DELAY

信号オフディレイ

本体電源を維持したまま、入力信号がOFFになったことをきっかけに計時します。

POWER OFF-DELAY

電源オフディレイ

本体電源を切った後も、設定時間だけ出力状態を維持し、その後に復帰する専用機能を持ちます。

電源オフディレイの電子式タイマーには、内部に蓄えたエネルギーなどを利用して動作する製品があります。正しい動作のため、電源を入れておく最小時間などが指定される場合があります。

接点が保持されても、負荷の電源が残るとは限らない

タイマーと負荷の電源を同時に切れば、接点が閉じていても負荷は動作できません。タイマーの電源、出力接点、負荷側の電源を分けて考えましょう。

信号オフディレイの本体電源を切っても、電源オフディレイと同じ動作になるとは限りません。必ず製品のタイミングチャートを確認します。

電源オンディレイと信号オンディレイ

オンディレイにも、計時開始のきっかけが異なる方式があります。

  • 電源オンディレイ:タイマー本体へ電源を入れると、計時を始める。
  • 信号オンディレイ:本体電源を入れた状態で、スタート信号を入れると計時を始める。

一般リレーと同じように、電源端子だけで動作を指示するタイマーもあります。一方、信号入力式には、電源端子とは別の入力端子が必要です。

入力方式も、無電圧接点入力や電圧入力などで異なります。入力端子へ加えてよい電圧や、接続できる信号を確認します。

タイマーのa接点・b接点はどう動く?

リレー出力のタイマーでは、動作モードに応じて接点が切り替わります。

オンディレイの限時接点

一般的なオンディレイの限時a接点は、計時開始直後は開いたままで、設定時間が経過すると閉じます。限時b接点は、設定時間が経過すると開きます。

オフディレイの限時接点

基本的なオフディレイでは、a接点側は入力ONで閉じ、入力OFF後も設定時間だけ閉じた状態を保ち、その後に開きます。b接点側は逆の導通状態になります。

瞬時接点は、時間設定とは別に動く

製品によっては、限時接点に加えて、所定の入力に応じて遅延なしで動く瞬時接点があります。限時接点のつもりで瞬時接点を使うと、時間設定どおりの制御になりません。

接点番号や図記号だけを、別機種へそのまま当てはめないようにしましょう。端子配列、接点の基準状態、限時・瞬時の区別を、その型式の接続図とタイミングチャートで確認します。

タイマーだけで自己保持はできる?

一般的な非積算型オンディレイは、計時の開始条件を設定時間まで維持する必要があります。始動ボタンを一瞬押しただけでは、途中でリセットされる場合があります。

ボタンから手を離しても計時を続けたいなら、自己保持回路で運転指令を維持する、入力を記憶する機能を使うなど、目的に合った構成が必要です。

「入力後に遅れて動く」ことと、「入力を記憶する」ことは別の機能として考えましょう。

PLCのタイマーとの違い

PLCでは、プログラム上のタイマー命令で時間条件をつくれます。ハードウェアのタイマーリレーと考え方は共通ですが、計時結果をビットなどとして扱う点が異なります。

一般的なオンディレイ命令では、実行条件が成立してから設定時間を計り、完了ビットをONにします。積算型、オフディレイ命令、保持設定などの仕様はPLCによって異なります。

タイマーリレー
本体の電源・入力・出力端子と、設定モードによって動作する。

PLCのタイマー
プログラムの実行条件、時間設定、命令仕様に従って動作する。

PLCの電源が切れたときは、通常のプログラム実行も止まります。オフディレイのロジックを組んだだけで、PLC停電後も同じ動作が続くわけではありません。

また、スキャン時間やタイマの時間単位による誤差もあります。必要な時間精度に合った機器・命令を選びます。

選定と設定で確認するポイント

項目 確認する内容
動作モード オンディレイ、信号オフディレイ、電源オフディレイなど
電源仕様 AC・DC、定格電圧、周波数、極性の指定
入力方式 電源スタートか信号スタートか、入力の電圧・接点条件
時間設定 秒・分・時の単位、時間レンジ、設定値、精度
出力仕様 リレー接点か半導体か、限時・瞬時、負荷定格
復帰・再入力 リセット時間、最小入力時間、計時中の再入力時の動作

ダイヤルが「5」を指していても、レンジが秒なら5秒、分なら5分など、設定単位で意味が変わります。レンジと目盛の関係は製品の説明書で確認してください。

また、計時中に入力が再びONになった場合の動作は、製品やモードによって異なります。再始動・リセット・継続のどれになるかを確認します。

設定どおり動かないときの確認順序

  1. モード:目的のオンディレイ・オフディレイに設定されているか。
  2. 時間:時間単位、レンジ、設定値が合っているか。
  3. 電源と入力:必要な電源が維持され、正しい信号が入っているか。
  4. 出力端子:限時接点・瞬時接点、NO・NC・COMを取り違えていないか。
  5. 負荷回路:接点が切り替わっても、負荷側の電源や経路が成立しているか。

通電中のモード変更や時間レンジ変更を認めない製品もあります。設定変更は、設備を安全な状態にし、取扱説明書の手順に従って行います。

まとめ

  • タイマーリレー:時間を条件にして出力を切り替える機器。
  • オンディレイ:入力ONから設定時間後に、出力ON。
  • オフディレイ:入力OFFから設定時間後に、出力OFF。
  • 電源と信号:本体電源の切替と、入力信号の切替を区別する。
  • 仕様確認:動作モード、時間単位、出力接点、リセット条件を確認する。

覚え方は、「オンディレイはONを遅らせる、オフディレイはOFFを遅らせる」です。そのうえで、何をきっかけに計時し、どの出力が切り替わるのかを追うと、タイミングチャートも読みやすくなります。

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