ラダー図とは?基本記号・読み方・ANDとORの回路を初心者向けに解説【制御・PLC】

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CONTROL & PLC / ラダー図入門

PLCのプログラムを開くと、接点やコイルに似た記号が並んでいます。この「ラダー図」は、基本の読み方を押さえると、機械が動く条件を追いやすくなります。

ラダー図は、条件を接点記号などで表し、その結果を出力や内部処理へつなげるプログラムの表現方法です。

この記事では、a接点命令・b接点命令・出力コイルの意味、ANDとORの読み方、実物のスイッチとの違いを、図と状態表で解説します。

ラダー図とは?|はしごの形で条件を表す

ラダー図は、左右の母線と、その間に並ぶ横の回路によって、はしごに似た形になります。PLCのプログラム言語では、LD(Ladder Diagram)と呼ばれます。

基本的な回路では、左側に動作条件、右側に出力命令などを配置します。横のひとまとまりを「ラング」などと呼ぶことがあります。

電気回路図に似ていますが、図の線を実際の電流が流れているわけではありません。プログラム上の条件成立を、回路の導通に似せて表しています。

この記事で扱う範囲

通常の接点命令と、保持機能を持たないOUT命令による基本回路を扱います。SET・RESET、立上り検出、ジャンプなどの命令は、別の動作として区別します。

まず覚えたい3つの基本記号

BASIC SYMBOLS|接点命令と出力コイル

a接点命令・b接点命令・出力コイル a接点命令は対象ビットONで成立。斜線のあるb接点命令は対象ビットOFFで成立。括弧形のコイルは演算結果を対象へ書き込む。 a接点命令 b接点命令 出力コイル ビットONで成立 ビットOFFで成立 演算結果を書き込む 状態をそのまま読む 状態を反転して読む 通常のOUT命令の例
基本的な表記例です。使用ソフトによって、記号の形や命令の表示方法は異なります。

a接点命令|対象ビットがONなら成立

a接点命令は、指定したビットがONのとき、その接点条件を成立とします。OFFなら不成立です。

たとえば入力X0を読むa接点命令なら、「X0がONかどうか」を確認します。

b接点命令|対象ビットがOFFなら成立

b接点命令は、指定したビットがOFFのとき成立し、ONのとき不成立になります。

「OFFなら条件成立」という反転した読み方です。斜線があるから入力自体がOFFになる、という意味ではありません。

対象ビットの状態 a接点命令 b接点命令
OFF(0) 不成立 成立
ON(1) 成立 不成立

出力コイル|条件の結果を反映する

通常のOUT命令は、実行時の回路条件が成立なら対象ビットをON、不成立ならOFFにします。

対象が外部出力Yなら、出力情報が外部端子へ反映されることで機器を操作します。内部ビットMなら、プログラム内部の状態として使います。

コイル記号があっても、実物のリレーコイルとは限りません。また、通常のOUTと、状態を保持するSET・RESETなどは動作が異なります。

基本の読み方|左から条件を追う

初めて読むときは、次の順番で整理します。

  1. 右側の出力を見る:何をON・OFFしようとしている回路か確認する。
  2. 各接点の対象を見る:入力や内部ビットの名称・コメントを確認する。
  3. a・b接点命令を区別する:対象がONで成立するか、OFFで成立するかを読む。
  4. 直列・並列を整理する:どの条件がすべて必要で、どこに別経路があるかを確認する。
  5. 左から出力まで成立する経路があるか考える:回路全体の結果を判断する。

通常の直線的なプログラムでは、回路は上から順に実行されます。ただし、タスク、割込み、ジャンプなどで実行の流れが変わる場合があります。

図解①|ボタンの入力でランプを点灯する

最初は、入力X0のa接点命令で出力Y0を操作する回路です。X0はボタンを押すとON、離すとOFFになるものとします。

BASIC|X0がONなら、Y0をON

X0のa接点命令から、Y0のOUT命令につながる基本回路 X0Y0 始動ボタン入力 ランプ指令
プログラムの概念図です。実際のボタンやランプの配線は省略しています。

X0がONなら接点条件が成立し、Y0へONを書き込みます。X0がOFFなら不成立となり、Y0へOFFを書き込みます。

この回路には自己保持がないため、ボタンを離してX0がOFFになると、ランプ指令もOFFになります。

図解②|直列はAND「両方必要」

2つのa接点命令を直列につなぐと、両方が成立したときに回路全体が成立します。

AND|X0もX1もONなら、Y0をON

X0とX1のa接点命令を直列にしたAND回路 X0X1Y0
この例では、2つともa接点命令です。
Y0の条件:X0がON、かつX1がON
X0 X1 Y0
OFF OFF OFF
OFF ON OFF
ON OFF OFF
ON ON ON

たとえば「運転許可がある」かつ「動作要求がある」という組み合わせに使えます。

図解③|並列はOR「どちらかでよい」

2つのa接点命令を並列につなぐと、少なくとも一方が成立すれば、出力までの経路が成立します。

OR|X0またはX1がONなら、Y0をON

X0とX1のa接点命令を並列にしたOR回路 X0X1Y0
上側と下側のどちらかが成立すれば、分岐の先へ条件がつながります。
Y0の条件:X0がON、またはX1がON
X0 X1 Y0
OFF OFF OFF
OFF ON ON
ON OFF ON
ON ON ON
ORは「両方ON」でも成立する

どちらか一方だけでなければならない、という意味ではありません。一方だけONのときに成立する排他的ORとは区別します。

b接点命令を入れると、読み方はどう変わる?

X0のa接点命令と、X1のb接点命令を直列にした場合を考えます。

条件:X0がON、かつX1がOFF

直列なので両方の「接点条件」が成立する必要があります。ただし、X1はb接点命令なので、X1がOFFのときに成立します。

X0:a接点命令 X1:b接点命令 Y0
OFF OFF OFF
OFF ON OFF
ON OFF ON
ON ON OFF

たとえば、X1が「異常ありでON」になる信号なら、X1のb接点命令は「異常信号がOFFであること」を確認します。ただし、それだけで断線や故障まで検出できるとは限りません。

直列は「全部のビットがON」ではなく「全部の接点条件が成立」

a接点命令とb接点命令が混ざる回路では、この違いが重要です。

ANDとORが混ざった回路の読み方

「運転許可A」と、「要求Bまたは要求C」を組み合わせる場合、条件は次のようになります。

条件:A AND(B OR C)

Aは共通の直列条件、BとCは並列条件です。Aが不成立なら、B・Cのどちらが成立していても、出力条件は成立しません。

一方、「AとBの直列経路」に「Cだけの経路」を並列にすると、条件は(A AND B)OR Cになります。この場合、Cが成立すればAが不成立でも出力条件が成立します。

同じ接点があっても、分岐する位置と合流する位置で意味が変わります。「何が共通条件なのか」「どの条件を迂回できるのか」を確認しましょう。

実物のa・b接点と、ラダーの命令は分けて考える

実物の押しボタンは、操作によって電気的な接点が開閉します。PLCの接点命令は、その結果として取り込まれたビットの状態を読みます。

たとえば、物理的なb接点の停止ボタンを入力X1へ接続し、押していないときX1がON、押すとOFFになる構成を考えます。

操作 実物のb接点 入力X1 X1のa接点命令
押していない 閉 ON 成立
押している 開 OFF 不成立

この構成で「停止ボタンが押されていないこと」を運転許可として読むなら、X1のa接点命令を使います。

「実物がb接点だから、プログラムもb接点命令」とは限りません。実物の操作、入力ビット、命令の成立条件という3段階で確認します。

なお、この表は指定した配線と正常な入力条件を前提としています。信号の極性、センサー方式、入力設定などによって対応は変わります。

出力ONでも、機器が動いたとは限らない

ラダーでY0のOUTがONになったことは、プログラムが出力ONを指示したことを表します。

実際の動作には、出力の更新、出力回路の電源、外部配線、リレーや接触器、負荷の状態などが関係します。

  • プログラムの条件は成立しているか。
  • 出力情報はONになっているか。
  • 出力端子と外部回路は正常か。
  • 負荷へ必要な電源が届いているか。
  • 機械側が動作できる状態か。

この順番で分けて確認すると、「プログラムはONなのに動かない」という状況を整理しやすくなります。

回路図のように見えても、実行順序がある

通常のPLCプログラムは、決められた順序で命令を実行します。上側の回路で変更した内部ビットを、下側の回路が読む場合など、順序が動作へ影響します。

同じ出力へ通常のOUT命令を複数書くと、後に実行された書込みが先の結果を上書きする場合があります。「どちらかの回路が成立すればON」とは限りません。

各図は、同じY0を使った別々の学習例です。1本のプログラムへ、そのまままとめて貼る例ではありません。状態表は、そのOUT命令が実行され、ほかの命令や強制操作で上書きされない前提です。

また、外部入出力の更新タイミングは機種や設定で異なります。モニター画面の表示も、すべての瞬間的な変化を捉えるとは限りません。

ラダー図を読むときの確認リスト

  1. 対象を特定する:入力・内部ビット・出力のどれか。
  2. コメントを読む:ONが何を意味する信号か。
  3. 接点命令を読む:ONで成立か、OFFで成立か。
  4. 分岐を追う:共通条件と、並列の別経路を区別する。
  5. 命令を確認する:通常のOUTか、保持・タイマーなど別の命令か。
  6. 書込み元を探す:同じビットを、ほかの回路でも変更していないか。

信号名を見ても意味がわからないときは、外部配線図やI/O一覧と照合します。「X0だから始動」のように、番号だけで用途を決めつけないようにしましょう。

まとめ

  • a接点命令:対象ビットがONなら成立。
  • b接点命令:対象ビットがOFFなら成立。
  • 通常のOUT:実行時の条件成立・不成立を対象へ反映する。
  • 直列:すべての接点条件が必要なAND。
  • 並列:少なくとも一方の経路が成立すればよいOR。
  • 実物と命令:物理接点の種類だけで、ラダーの命令を決めない。

ラダー図は、「各接点が成立するか」を確認し、その後で「出力まで条件がつながるか」を追うと読みやすくなります。最初は小さな回路と状態表を照合しながら、ひとつずつ理解していきましょう。

参考資料

本記事は基本動作を学ぶための解説です。実機の命令仕様、実行方式、入出力設定は、使用するPLCのマニュアルで確認してください。

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